2016.06.03

モナコGPリポート

  • 様々なドラマが起きた今年のモナコGPにおいて、ルノー・スポールF1チームはふたりのドライバーが揃ってリタイアを喫するという残念な結末を迎えました。セーフティカーに先導されてスタートが切られたレースにフルウェット・タイヤで臨んだケヴィン・マグヌッセンは、早めにピットストップを行ってインターミディエイト・タイヤに交換し、追い上げを図っていました。ところが、1周遅れのダニール・クビアトによる不可解な猛攻撃を受けた末に2台は接触。マグヌッセンはその後も走行を続けましたが、この影響でバリアに接触し、彼のモナコGPは幕を閉じました。ジョリオン・パーマーのレースはさらに短いもので、8周目のメインストレートでアクアプレーニング現象に見舞われてバリアと接触した後、サンデヴォーのバリアで止まってレースを終えました。

    ケヴィンはピレリのフルウェット・タイヤを装着し、16番グリッドからスタートしました。彼は7周目にインターミディエイト・タイヤに交換、ところがクビアトの強引な攻撃により、21周目にはフロントウイングを交換するとともに、再びインターミディエイト・タイヤに履き替えることとなりました。続く29周目にはピットストップを行って新品のスーパーソフト・タイヤを装着、32周目にはフロントウイングを新しいものに換えるとともに新品のウルトラソフト・タイヤを装着しましたが、その1周後にはリタイアに追い込まれました。
    ジョリオンはフルウェット・タイヤを装着して18番グリッドからスタート。ところがアクアプレーニングのためにバリアと接触し、7周を周回してレースを終えました。

    ケヴィン・マグヌッセン(#20、R.S.16-02:予選16位、決勝リタイア)
    「レースでは好スタートが切れたほか、セーフティカーが出動した直後にタイヤをインターミディエイトに交換し、戦略面でも大成功を収めました。これほど早いタイミングでタイヤを交換したのは僕たちだけで、これは正しい判断だったと思います。多くのドライバーがピットストップを行うなか、僕たちは順調に周回を重ね、ポジションを上げていきました。残念なことに、クビアトは冷静さを欠いていたらしく、僕に衝突してきました。実質的にこれで僕のレースは終わりました。その後も走行を続けるとともに、何も失うものがなかったので早めにスリック・タイヤへの交換を行いましたが、ウォールに接触してフロントウイングを痛めてしまいます。この時点で数ラップ遅れとなっていたほか、マシンも本調子ではなかったため、大事をとってリタイアすることにしました。今回はいい結果を期待していましたが、望んでいたような成績が得られなかったのは残念です。いまはカナダに気持ちを切り替え、そこでいいレースを演じたいと思います。モントリオールは僕たちにとって有利なコースなので、マシンに施したアップデートが効果を発揮するのを期待しています」

    ジョリオン・パーマー(#30、R.S.16-03:18番グリッド、決勝リタイア)
    「セーフティカー・ランが終わるとトラクションは急激に悪化したので、慎重にドライブしました。コースを横断しているホワイトラインの上では5速でもホイールスピンする状況でした。あのとき、僕にできることは何もありませんでした。助手席に腰掛けているも同然の状態で、ウォールへと一直線に突き進んでいきました。ホワイトライン上が危ないことは知っていましたが、いたるところに引かれているので、とても難しい状況でした。今年のモナコはいいレースにならなかったので、次のグランプリに気持ちを切り替え、いい結果が得られることを楽しみにしています」

    フレデリック・ヴァスール:レーシングディレクター
    「ふたりのドライバーにとってはタフな週末となりました。ジョリオンのレースはスタートして間もなく、ストレート上でレースを終えました。スピードが高い状態でのアクシデントだったためにやや深刻な結果を招き、彼の1日はここで幕を閉じました。あの状況では何もできることはありませんでした。ケヴィンは、レースが始まってすぐにインターミディエイトに交換して欲しいとリクエストしてきました。しばらくトラフィックに巻き込まれる形にはなりましたが、いい判断だったと思います。クビアトが原因でケヴィンがリタイアに追い込まれたのは残念でした。なにしろ、彼が走っていたポジションでは、人と違う戦略をとる必要がありましたから。いずれにしても、私たちはこの傷口は最小限にとどめるとともに、カナダに意識を集中することになります」

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