2017.04.12
中国GPリポート 【F1 2017】
ルノー・スポールF1チームは様々なドラマが起きた中国GPを耐え抜き、上海インターナショナル・サーキットで行われた56周のレースをニコ・ヒュルケンベルグは12位、ジョリオン・パーマーは13位で走り終えました。ニコが昨日の公式予選で示したパフォーマンスは、レース序盤のスリックタイヤ(溝の無いタイヤ)への交換と、その後に起きたアクシデントによりバーチャルセーフティカーが出動した影響で水泡に帰してしまいます。ジョリオンも早めのピットストップでドライタイヤ(晴れ用タイヤ)に履き替えましたが、同じくバーチャルセーフティカーのため徒労に終わりました。チェッカードフラッグを掻い潜ったとき、2台のタイム差はちょうど2秒でした。
●新品のインターミディエイト・タイヤ(少し濡れた路面用タイヤ)を装着し、7番グリッドからスタートしたニコは、オープニングラップを終えたところで最初のピットストップを行って新しいソフト・タイヤ(ゴムの柔らかさ5段階のうち、3段階目のタイヤ)に交換。33周目には皮むきをしたウルトラソフト・タイヤ(同1段階目のタイヤ)に履き替えました。このほか、バーチャルセーフティカーと現実のセーフティカーが出動中に追い越しをしたとして、ニコには合計15秒間のペナルティストップが科せられました。
●フォーメーションラップの終わりにインターミディエイトから新品のスーパーソフト・タイヤ(同2段階目のタイヤ)に履き替え、このためピットスタートを切ることになったジョリオンは、30周目にピットに戻って新品のソフト・タイヤへの交換を行いました。
ニコ・ヒュルケンベルグ(#27、R.S.17-02 スタート:7番グリッド、決勝:12位)
「メインストレート以外のほとんどの部分は路面が乾いていたので、僕たちは最初のラップが終わったところでドライタイヤに交換する賭けに出ました。作業を終えて再スタートを切ろうとしたとき、ストロール(ウィリアムズチーム)がクラッシュしてバーチャルセーフティカーが導入されます。このとき、路面はまだ完全に乾ききっていなかったためプッシュできず、タイヤはすっかり冷えてしまいました。これでグリップがすべて失われ、まるで氷の上を走っているような状況になって何度かスピンを喫しました。この後はなにもかもうまくいきませんでした。バーチャルセーフティカーのおかげで僕たちの戦略は台無しになり、レースは散々な結果に終わりました。あの作戦は絶対にうまくいったはずなので、今日のレースは悔やんでも悔やみきれません」
ジョリオン・パーマー(#30、R.S.17-01 スタート:ピットレーン/20番グリッド、決勝:13位)
「難しいレースでした。フォーメーションラップ(スタート前にする1周)の最後にピットストップするのは正しい判断でしたが、トロロッソ(トロロッソチーム)とバトルしている際にウェットパッチに乗ったうえ、続いてバーチャルセーフティカーが出動した影響でタイヤの温度が低下し、とても難しい第1スティント(最初のピットストップまでの走行)となりました。満足できたのは、今日はマシンの信頼性が高かったことと、完走にこぎ着けられたことのふたつです。僕たちはここで一旦リセットし、バーレーンがいい週末となるように気持ちを切り替える必要があると思います」
シリル・アビテブール マネージングディレクター
「結果的に今回は悔しい週末となりました。土曜日には7番グリッドを獲得して素晴らしいパフォーマンスを示しましたが、期待するような結果は得られませんでした。序盤にバーチャルセーフティカーが導入されたとき、ニコはすでにピットストップを行っていたので、遅れを取り戻すのが難しい状況となりました。彼はさらにペナルティも科せられてしまいます。バーチャルセーフティカーはジョリオンの戦略にも悪影響を与え、その後はこのダメージを最小限に留めるために全力を尽くしました。シーズン第2戦もノーポイントに終わったことは残念で仕方ありませんが、今回2台揃って高い信頼性を示せたことはよかったと思います。続くレースでは自分たちのポテンシャルをうまく引き出すことが必要だと痛感しています」