2017.06.08
モナコGPリポート 【F1 2017】
F1という名のギャラクシーにはたしかに“フォース”が存在するようです。この世界でもっとも象徴的なサーキットであるモンテカルロの市街地コースを78周して繰り広げられたモナコGPにおいて、ルノー・スポールF1チームのジョリオン・パーマーは今シーズン・ベストとなる11位でレースを終えました。
16番グリッドからスタートしたジョリオンは熟達した走りを見せて追い上げ、ポイント獲得まであと1.3秒に迫るポジションでフィニッシュしました。ニコ・ヒュルケンベルグは挽回を図ろうとしていた矢先にギアボックス・トラブルが発生し、早めにレースを終えました。今日のレースが終了した段階で、ルノー・スポールF1チームは引き続きコンストラクターズ(チーム)・チャンピオンシップで7番手につけています。また、スター・ウォーズが誕生して40周年にあたるこの日、「スター・ウォーズ/新たなる希望」のリリースにあわせて特別なキャラクターやブランディングがルノー・スポールF1チームのピットに登場。同じ1977年にルノーRS01がF1にデビューしたことと共に祝いました。
●新品のウルトラソフト・ピレリタイヤ(5段階ある柔らかさのうち、もっとも柔らかいタイヤ)を装着して10番グリッドからスタートしたニコは、16周目にギアボックス・トラブルのためリタイアしました。
●16番グリッドから新品のウルトラソフト・タイヤを履いてレースに挑んだジョリオンは、42周目に新品のスーパーソフト・タイヤ(同じく2番目に柔らかいタイヤ)に履き替えました。
ニコ・ヒュルケンベルグ(#27、R.S.17-02 スタート:10番グリッド、決勝:リタイア/ギアボックス・トラブル)
「今日は何ポイントか獲れたと思います。僕たちは順調にトップ10を走行していましたし、そこからいくつか順位を上げるポテンシャルも間違いなく有していました。モナコで大切なのは何よりも走り続けることで、今日のレースでは9位はもちろんのこと、8位も狙えたと思います。トラブルは突然、起こりました。クルマの後部から煙が上がるのが見えて、チームから停車するよう指示されました。解析の結果はギアボックス・トラブルでした。ドライバーとしては残念でしたが、僕たちのポテンシャルが高いことは明らかです。モントリオールでは反撃に打って出ます」
ジョリオン・パーマー(#30、R.S.17-03 スタート:16番グリッド、決勝:11位)
「レースについては満足しています。ペースはかなりよかったですし、ミスもありませんでした。今日はレースを楽しめました。モナコのコースを78周、それも全力で走り続けられるのは素晴らしいことです。タイヤの性能低下もなく、ずっと攻めていられました。このコースではオーバーテイクが不可能に近いので、16番グリッドから11位まで追い上げられたのはよかったと思います。しかも、今シーズン初のポイント獲得まであと1秒しかありませんでした! もちろん、入賞できればそれに越したことはありませんが、この勢いをカナダに持ち込みたいと思っています」
シリル・アビテブール マネージングディレクター
「今回も健闘してチャンピオンシップのポジションを前進させるつもりでした。それだけに今日のモナコGPの結果は残念です。木曜日のプラクティスが厳しい結果に終わり、金曜日にチームが多くの作業をこなしたことで、問題の特定が可能となりました。これが、ふたりが納得のいくグリッドポジションを獲得する原動力となったといえます。ニコのギアボックスに不安を抱えていることは事前の解析結果から承知していましたが、ギアボックスを交換すればペナルティを科せられるので、そのままレースに臨む判断を下しました。私たちのレベルでポイントを獲得するには、何らかのリスクを受け入れなければいけないのです。それがモーターレーシングであり、今日はたまたまその努力が報われませんでした。ニコのペースは速かったので、この結果は残念です。ジョリオンは見事にレースを戦い抜き、ひとつもミスを犯しませんでした。これで彼は自信を手に入れるでしょう。この自信が予選での好成績につながり、それが日曜日のレースでのポイント獲得につながることを期待しています」