2018.12.07
RENAULT PRESSE #82 Frenchism:ルノーが生まれたフランスを紐解く
ルノーが生まれたフランスを紐解く
What’s FRANCE?
フランスの横顔
フランスは国土が広く、各エリアは多様性に富んでいる。歴史を刻むパリの小道には石畳が敷きつめられ、地中海沿いのワインディングロードがつづき、南東にはアルプス山脈が国境を越えて連なる。また高速道路整備さえ、長距離運転もお手の物のフランス人たち。そんな環境でルノーの車も磨かれてきた。パリだけでなく、地方の存在を知ればグッと魅力が深まるだろう。
文化大国の魅力を深くする地方
フランスときいて、まずイメージするのは首都パリだろう。“花の都”は、ファッションやアートをはじめ、様々な文化を生み出してきた。もちろん政治や経済の中心だ。
一方、同国はEU最大の農業大国でもある。西ヨーロッパで最大の面積を誇る国土の約半分が農業用地で、食料自給率は100%を超える。農業を支えるのは地方だ。ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ブルターニュといった地名をきけば、食のイメージが湧き上がってこないだろうか。各エリアで生産された多様な食材は、パリのマルシェにも運ばれていく。
農業とともに、重要な産業が工業。なかでも、自動車産業は世界7位の規模を誇る。その象徴的な存在が、1898年に創業され、2018年で120周年を迎えるルノーだ。パリ郊外で誕生した同社が、これまで磨き上げてきた自動車の特徴は、同国の地理的条件に育まれた側面もある。
ほぼ六角形に国土が広がるフランスの重心が、パリにあることは間違いない。ただ、その周りに広がっていくバラエティ豊かな地方が、同国に新たなエッセンスを加えているのも事実。代表的なエリアの特徴を掴み、クルマで旅すれば、フランスの新たな一面が覗けるはずだ。
©TETSUO KASHIWADA
1970年代は、都会に集まってきた女性や若者が消費を牽引した時代だった。彼らが求めたのは、運転して楽しいクルマ。そんな時代に、ルノーが生んだのがコンパクトカーだ。パリなど石畳の小道が複雑に入り込む街では、小回りが効くことが重宝された。また、「小さいことが美しい」という価値観も浸透。その伝統は引き継がれ、今もフランスの街中を走り抜ける。
©Sébastien STAUB
フランス中南部は、アルプス山脈の西の端がそびえる。ルノーの足回りは、アルプス山岳路で磨かれた。その抜群の乗り心地の良さは、『しなやかな猫足』とも表現された。F1やル・マン 24時間レースでの優勝経験を誇るルノー。ル・マンやアルプスが舞台のレースで鍛えられたエンジンやトランスミッションは、市販車でも「ルノー・スポール」の名で受け継がれている。
©Thomas Bresson
国土の約7割が平坦で、高速道路が整っているフランス。欧州の中央にあるため、バカンスで隣国へ足を伸ばす人も多い。そんな地理的背景から、クルマでの長距離移動が当たり前。それゆえ、シートは体を包み込み守ってくれる形状で、長時間座っても疲れにくい硬さを実現。また、シートを柔軟にスライドでき、多彩な空間アレンジが旅でも活躍する。
©Daniel70mi Falciola
フランス南部のコート・ダジュールと呼ばれる地中海沿岸エリアは、欧州を代表する高級リゾート地。道路環境に目を向けてみると、この一帯は曲がりくねったワインディングロードがつづき、モンテカルロ・ラリーのルートにも組み込まれている。ルノーはこの地で研鑽を積んだ。ルノーの作り込まれたシャシーやサスペンションが優れたハンドリングは、太陽で輝く地中海の道で進化を遂げてきたのだ。
※掲載情報は2018年12月時点のものです。