2020.04.17
RENAULT PRESSE #98 COLUMN:春の訪れとミモザ
春の訪れとミモザ
暖冬と呼ばれた冬が終わり、今年も春がやってきました。日本では、梅や桜が冬から春の訪れを教えてくれる代表的な季節の花とされていますが、フランスではミモザが有名。別名アカシアとしても知られています。
ミモザの特徴はなんといっても黄色と丸い形。2月から3月にかけて小さなふわふわとした房状の花を咲かせ、芳醇な香りを漂わせます。ドライフラワーやリースでも根強い人気がありますが、そのはっきりとした匂いから、香水やアロマの原料としても好まれる花です。
フランスのなかでも特に南フランスにおけるミモザは特別な存在です。南仏プロヴァンス地方の南端からコート・ダジュール地方の海沿い一帯の地域では、1月から3月にかけて、満開のミモザがいたるところで見られます。街路樹や住宅の庭のミモザも見事ですが、野山を華やかに彩る野生のミモザの大木は圧巻! なんと10mにも成長する品種もあります。
プロヴァンス地方のほぼ最南端に、ミモザで有名なボルム・レ・ミモザという小さな村があります。ここを起点にコート・ダジュール地方の香水で有名な街グラースまで、ほぼ地中海沿いに130キロに渡って「ミモザ街道」が走っています。街道沿いには、ミモザで有名な8つの街があり、冬の間さまざまな「ミモザ祭り」が行われているのです。ちなみにミモザ祭りは、ニースで行われる「カーニバル」、マントンの「レモン祭り」と並び、冬の南仏における三大祭りとされています。
フランスでは満開の時期に丘や庭園を金色に輝かせ、「冬のコート・ダジュールを照らす太陽」と称されるミモザ。その可愛らしい姿と香りで生活空間を飾ると、より一層、春を感じられることでしょう。
※掲載情報は2020年4月時点のものです。