2020.01.16

RENAULT PRESSE #95 NEW ARRIVAL:あの量産FF車最速マシンがついに日本上陸 これがメガーヌ R.S.の全貌だ


  • Renault Presse #095, JANUARY 2020 Words by Kenichiro Uda
  • あの量産FF車最速マシンがついに日本上陸
    これがメガーヌ R.S.の全貌だ

  • ニュルブルクリンクで量産FF車最速タイムをたたき出した新型トロフィー Rが、
  • 日本発売に先がけて鈴鹿サーキットでタイムアタック!
  • メガーヌ R.S.のポテンシャルをあらためて証明することに成功した
  • ニュルに続いて、スズカでもタイムを更新

  •  それはまさに“ニュルブルクリンク量産FF車最速のDNA”を証明した瞬間だった。ルノー・スポールは去る2019年11月26日、新型「メガーヌ R.S. トロフィー R」を空輸で日本に持ち込み、世界的にも名高い鈴鹿サーキットでタイムアタックを敢行。先代トロフィー Rのラップタイムを3秒以上短縮して、2分25秒454という、量産FF車では類を見ない新たなラップタイムを記録した。そのステアリングを握ったのはもちろん、メガーヌ R.S.を知り尽くし、歴代のニュルブルクリンクアタックを担当してきた開発ドライバーのロラン・ウルゴンである。


  • 限られた走行時間で、課せられたミッションを完遂したロラン・ウルゴン。
    メガーヌ R.S.を知り尽くしたプロフェッショナルドライバーだ。


  •  新型トロフィー Rは2019年4月5日に、スポーツカー開発の聖地である独ニュルブルクリンク北コースで量産FF車最速ラップタイムとなる7分40秒100を樹立している。しかし、ルノー・スポールはそれで満足することなく、同年7月にはベルギーの名門コース、スパ・フランコルシャンでも先代から5秒以上の短縮となる2分48秒338を記録した。今回の鈴鹿はそんなニュル、スパに続く、新型トロフィー Rによる量産FF車最速DNA実証ツアーでもあったわけだ。


  • 最初の走行で先代トロフィー Rの記録を更新した後、
    新品タイヤを履かせた3回目の最終アタックで今回の最速タイム2分25秒454を記録した。


  • メガーヌ R.S.のポテンシャルを極限まで引き出す

  •  今回の鈴鹿サーキットで見事に記録更新した新型メガーヌ R.S. トロフィー Rは、日本市場に適した右ハンドルであること以外、ニュルやスパでも新記録を樹立したトロフィー Rと同仕様である。新型トロフィー Rは「加速性能、最高速度、ブレーキ性能、旋回性能、そしてあらゆるサーキットでのラップタイムで、歴代最速の先代トロフィー Rを上回ること」を開発目標として、最新の4代目メガーヌ R.S.のポテンシャルを究極まで引き出した一台だが、その手法はいかにもルノー・スポールらしいものがある。


  • 空気圧や車高を細かく調整しながら着々とタイムを詰めていくが、
    使われているクルマは市販車のトロフィー Rと同様である。


  •  新型トロフィー Rの心臓部となる1.8L直列4気筒直噴ターボエンジンは、ベースとなったトロフィー(のMTモデル)と同様に最高出力/最大トルクの300ps/400N・mのままだ。かわりに少数精鋭の専門チームによって車重をなんと(トロフィー比で最大)130kgも軽量化しているのだ!そのうえで高剛性スプリングやオーリンズ調整式ダンパー、ブリヂストン ポテンザS007タイヤといった専用開発パーツでシャシーを固めている。単純なエンジンパワーではなく、シャシーを徹底的に研ぎ澄ます……という、日本的に表現すると“柔よく剛を制す”ともいうべき開発コンセプトはルノー・スポールそのものだ。


  • ボディはメガーヌ R.S.そのものだが、強力なダウンフォースを発生する
    カーボンリアディフィーザーはトロフィー R専用。さらにリアワイパーも省かれる。


  • 量産FF車最速のDNAはすべてのメガーヌ R.S.に息づいている

     そんな究極のFFスポーツカーといえる新型トロフィー Rは世界で500台、うち日本向けは51台の限定販売となる。しかも、ニュルやスパ、そして鈴鹿でのタイムアタックでも使用された貴重な超軽量カーボンホイールを装備した‘カーボン・セラミックパック’は、日本ではわずか4台(世界で30台)という究極中の究極というべき存在となる。


  • トロフィー Rはボディに専用デカールが装備される。
    写真のカーボンホイールとカーボンセラミックブレーキは‘カーボン・セラミックパック’のみの専用装備。


  •  ただ、その最速のDNAはカタログモデルのメガーヌ R.S.各車、特にメガーヌ R.S. トロフィーにそのまま受け継がれる。ボディやサスペンション形式は、トロフィー Rといえどもわれわれがよく知るメガーヌ R.S.と基本設計に違いはない。繰り返しになるが、パワートレインはトロフィー MTモデルと共通。誤解を恐れずにいえば、トロフィー Rはメガーヌ R.S.のある一側面だけを極限的に引き出したにすぎない。


  • 日常的に快適な「EDC」とサーキット走行を楽しめる「トロフィー」、
    そこに究極の限定車「トロフィー R」が加わり、ラインアップが出揃ったメガーヌ R.S.各車。


  •  ロラン・ウルゴンをはじめとしたルノー・スポールチームは鈴鹿でのミッションを完遂した後、そのまま富士スピードウェイに移動して、翌日のR.S.スペシャリストディーラー研修に参加するという多忙なスケジュールをこなした。富士での研修では新型トロフィー Rのほか、日本で発売されたばかりのメガーヌ R.S. トロフィーの真髄を日本人に直々に伝えていた。こういう血の通ったクルマづくりこそ、ルノー・スポールの真骨頂である。


  • Interview


  • 極限まで軽量化した新型メガーヌ R.S. トロフィー Rはそれなりにドライバーを選びます。
    だからこそ、メガーヌ R.S.のすべてのモデルに意味があるのです。
    −ルノー・スポール テスト兼開発ドライバー ロラン・ウルゴン

     史上最速のメガーヌ R.S.を目指したトロフィー Rでは、最初の開発シミュレーションで「130kgの軽量化が必要」という結果が出ました。1.4tあまりのクルマを130kgも軽くするのは簡単ではありません。まずはすべてに優先して軽量化を図ったトロフィー Rでは最終的に4コントロールやEDCもあえて省略することにしました。トロフィー Rもダンパーの調整で公道でもまあまあ快適に走るようにはしてありますが、その速さを引き出すには、それなりの経験と技術が必要であることも事実。走行シーンを問わずに純粋に気持ちよく走りたいなら、4コントロールやEDCを備えたメガーヌ R.S.や、メガーヌ R.S. トロフィーがお勧めです。


● 写真は、日本仕様と一部異なります。

※掲載情報は2020年1月時点のものです。


Renault MEGANE R.S. / メガーヌ ルノー・スポール

 

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