Frenchism
ルノーが生まれたフランスを紐解く
面積 | 約54万4000km2 |
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人口 | 約6718万人(2018年) |
元首 | エマニュエル・マクロン大統領 |
産業 | 農業、宇宙・航空産業、原子力産業、自動車産業など |
宗教 | カトリック、プロテスタント、イスラム教、ユダヤ教など |
フランスの首都で約220万人が暮らす。18世紀のフランス革命や19世紀のパリ万博など、人類史において最も重要な都市の一つ。フランスの政治、経済、文化の中心として君臨し、ルノーは郊外ブローニュで誕生した。ルーブル美術館、凱旋門、エッフェル塔などを擁し、年間3000万人以上が訪れる世界的観光都市。
石畳の小道が広がる都市を楽しく走る
1970年代は、都会に集まってきた女性や若者が消費を牽引した時代だった。彼らが求めたのは、運転して楽しい車。そんな時代に、ルノーが生んだのがコンパクトカーだ。パリなど石畳の小道が複雑に入り込む街では、小回りが利くことが重宝された。また、「小さいことが美しい」という価値観も浸透。その伝統は引き継がれ、今もフランスの街中を走り抜ける。
パリとともにパリ首都圏を形成し、1220万人(フランス人口の約19%)が暮らすエリア。パリは喧騒に包まれているが、郊外に出れば、ヴェルサイユやフォンテーヌブローなど、かつての王族や貴族が所有した城や広大な森が広がり、自然豊か。また、印象派の画家が描いた風景が、当時のまま残る街も多く、車でまわるのがおすすめ。
北東部に位置するこのエリアは、アルザスがドイツとスイス、ロレーヌはベルギー、ルクセンブルク、ドイツと国境を接するため、過去2000年間に帰属する国がめまぐるしく変わる歴史をもつ。フランスとドイツが融合した独特の文化が形成され、飲み物は白ワイン、ビールとドイツ色が強い。国が隣り合う欧州ならではの“複雑さ”が凝縮されたエリア。
起伏のある丘に続く緑の森やブドウ畑、ロマネスク建築の教会を中心に形成された古い村など、フランスの典型的な田舎の風景が広がる。ボルドーと並ぶ世界最高級のワイン産地として名を馳せ、エスカルゴや高級牛肉で知られる美食の地でもある。ヴェズレーは、スペインへ続くサンティアゴ巡礼路の出発点の一つ。
フランス中央を流れるロワール川の下流一帯を指す。多くの城や城下町があり、なかでもソーミュール城は、円錐形の屋根の円筒を持つ美しい城として知られる。また、24時間レースが行われるル・マンは、車好きの聖地。コースの3分の2は、通常は一般道路として使われる。街からは30km近く直線道路が延び、ドライブにも最高。1978年のル・マン 24時間レースでは、フランスの威信をかけ、V6ターボエンジンを搭載したアルピーヌ・ルノーA442Bが歴史的な勝利を収めた。
名前の由来は、8世紀末にヴァイキング(ノルマン)が侵入したこと。英仏海峡に面し、英国との領土争いの舞台となった。また、第二次世界大戦の激戦地としても歴史に名を刻む。海岸から1kmほど離れた岩山に築かれた修道院のモン・サン・ミッシェルは、世界的観光地。リンゴ酒のカルヴァドス、バターやチーズの名産地でもある。ルノー・アルピーヌのレーシングカーやスポーツカーを生産するディエップ工場もこの地に位置する。
スペイン国境寄りの南部エリアには、フランス領バスクが含まれ、言語、料理、音楽など独自の文化を形成する。大西洋に面したアルカションには、牡蠣の養殖や海水浴で知られるリゾートがある。ボルドーでは見渡す限りブドウ畑が広がり、世界的に有名な高級ワインが生産される。ワインによく合う、フォアグラ、トリュフ、鴨料理も絶品。
スイス、イタリアと国境を接するローヌ=アルプ地方の東部は、アルプスの3000〜4000m級の山々を臨む雄大な自然に抱かれ、水の産地エヴィアン、温泉地エクス・レ・バン、山岳リゾートのシャモニーなどの街が有名。西部は、ラヴェンダーやブドウ畑が広がる平原が続く。第2の経済都市リヨンは、「光の祭典」が開催される12月に訪れたい。
ローヌ川左岸の田園地帯プロヴァンス、アルプス南部の山麓地帯アルプ、地中海沿岸の海岸地帯コート・ダジュールと、地形も歴史も異なるエリアが隣り合う。人口2位の都市マルセイユは、古代ギリシア人が植民都市を築いたのが始まり。プロヴァンスはオリーブ油や香草類を使った田舎料理、コート・ダジュールはブイヤベースなどの魚介料理が名物。
山岳路が張り巡らされたアルプス
フランス中南部は、アルプス山脈の西の端がそびえ、ヨーロッパ最高峰のモンブランはフランスとイタリアの国境に鎮座する。ルノーのサスペンションのしなやかさは、アルプス山岳路で磨かれた。その抜群の安定性と乗り心地の良さは、「しなやかな猫足」とも表現される。また、F1やル・マン 24時間レースでの優勝経験を誇るルノー。ル・マンやアルプスが舞台のレースで鍛えられたエンジンやトランスミッションは、市販車でも「ルノー・スポール」の名で受け継がれている。
欧州の中央に位置する国土
国土の約7割が平坦で、高速道路が整っているフランス。欧州の中央にあるため、バカンスで隣国へ足を延ばす人も多い。そんな地理的背景から、車での長距離移動が当たり前。それゆえ、シートは体を包み込み守ってくれる形状で、長時間座っても疲れにくい硬さを実現。また、シートを柔軟にスライドでき、多彩な空間アレンジが旅でも活躍する。
ワインディングロードの続く地中海沿岸
フランス南部のコート・ダジュールと呼ばれる地中海沿岸エリアは、欧州を代表する高級リゾート地。道路環境に目を向けてみると、この一帯は曲がりくねったワインディングロードがつづき、ラリー・モンテカルロのルートにも組み込まれている。ルノーはこの地で研鑽を積んだ。ルノーの優れたシャシー、サスペンションそしてハンドリングは、太陽で輝く地中海の道で進化を遂げてきたのだ。